どうも中川です。
近年、【日本人が海外で出稼ぎ!?】というワードをよく目にします。
かつては、海外の方が日本へ出稼ぎに来ていましたが
<海外→日本へ>から<日本→海外へ>の時代の変化になりつつあります。
SNSやメディアでは、海外なら簡単に高収入を手に入れられる投稿を目にします。
それは、能力✖️選択国✖️運がうまく掛け算になって重なってこそであり、全ての方が簡単に手に入れられる物ではないということです。
海外で働くのは、思っている以上に過酷で語学や生活・環境面が当たり前ですが大きく違います。
また、海外就職の前に生活をすることでさえ、やはり現地の言葉または英語が堪能である必要があります。
今後増えるであろうドイツ移住者や、ドイツで働いてみたい!という方に向けの記事となってます。
- ドイツで就職を考えている
- 何ビザから始めればいいのかわからない
- ドイツの仕事はどんな感じか知りたい
ドイツで仕事は楽すぎ!残業なし!?
いきなりインパクトな目次にしました。
ドイツって残業ないってほんと?
この部分に関して紹介したいと思います。
結論から言うと、職種や地位によって様々です。
目次で吊っておいて、結局そうかと思わせてしまいましたが、やはり高給取りは働いてます。
ただ、ドイツの労働基準法では原則8時間を超えてはいけません。
場合によっては最大10時間までは認可という法律で定められてます。
もし、10時間以上働くよう命じられた場合は、会社に最大15000ユーロの罰金が課せられます。
つまり、週に最大48時間まで働くことが可能です。
ただし、エリートキャリアの方達は日本ほど強制的な長時間残業や有給休暇を取りにくくさせるようなことはしませんが、少なからず一般層よりも働いてますし、給料に見合った仕事内容と責任はかかります。
法律があるのでどの会社もオフィシャルには声出していえませんが、必ず全員が定時に上がってますという世の中ではないということを知っておいてください。
残業なし、有給100%消化が当たり前
これはドイツで働くエリートキャリアの方ではなく、一般的に働く従業員に関した内容です。
現地の方は定時になるとパッと仕事のやり残しがあっても帰宅します。
むしろ30分前から、片付け始めて帰宅の準備をして定時をスタンばっている勢いです。
日本の残業に対する美学はなく、ドイツではプライベートと仕事のバランスを意識してます。
さらにほとんどの従業員は有給を100%消化します。
それに対して文句を言われることはありません。
確かに、有給も取りやすく、残業もない。
こんな好条件の仕事場はないように思えます。
ただ、残業がない分、一般職では給与は高くはありません。
もちろん、能力やポストが高ければ給与は高いですが、とはいえ税金も高いので、フルタイムで働くとかなりの税金で持っていかれるのが現状です。
残業がないと言いましたが、業種によってはあります。
例えば飲食業でフルタイムで働くと8時間就業というところは少なく、当たり前に残業します。
私がいた、ドイツのレストランでは有休を好きなタイミングでは取らせてくれず、残業に対するお金も休みも退職まで補填をしてくれませんでした。
飲食で働くのであれば、この残業なし・週末は自由みたいな理想を持つのはやめましょう。
現在の最低賃金は12ユーロ!
現在2023年のドイツの最低賃金は12ユーロ(日本円で約1800円越え)。
日本は最近賃金底上げをしたといっても1000円弱といったところでしょうか。
10年ほど前は7.5ユーロだった最低賃金が徐々に上がり12ユーロまでいきました。
この賃金だけを見れば、ドイツで働くのもいいなと思うのかもしれません。
ですが、この賃金に比例して物価・賃貸(光熱費を含む)も高騰しました。
例え、最低賃金でフルタイムで働いたとしても、税金で持っていかれて手元に残るのは1400ユーロ程度。
そこから家賃や食費を支払えば、ほとんど手元に残らないのが現実です。
確かに日本円に換算すれば、お得感はありますよね。
ですが、それは現地でしっかり稼いで貯金ができる場合に限りますという話です。
最低賃金で働く場合は、日本で生活しているのと場合によっては対して差はないのかもしれません。
ドイツ一年目は何ビザがいい?
ドイツに来るなら「ワーキングホリデービザ*(以後ワーホリ)」または「語学ビザ」?
と悩まれる方が多いと思います。
結論から言うと、語学ビザがおすすめ!
ドイツに長く滞在する訳ではなく、色々な国で経験を積みたい方はワーキングホリデービザを利用するのがベストです。
*ワーキングホリデービザ:18〜30歳までの日本人であれば誰でも申請ができ、現地で就労が可能なビザ。原則、1国あたり1回のみの申請
語学ビザを勧めるワケとは?
語学ビザを勧めるには理由があります。
ただ単に日本の時給よりいいからとドイツで仕事をしたいと考えている方は注意です。
ワーキングホリデーを利用される方の多くは、語学をあまり必要としない日本食レストランが主な働き先となります。
もちろん、日本食レストランがダメと言っている訳ではありません。
私も日本食レストランで働いていたので。
ただ、今後長くドイツに住みたい方は、どうしてもドイツ語が必要不可欠です。
フルタイムで働きながら、語学の勉強はかなりハードルが高いです。
そのため、1年間は働くことはできませんが、この1年の時間で語学学校でしっかりと語学を学び、日常生活で困らない程度までドイツ語のレベルを上げることをお勧めします。
また、語学ビザの後に、就職したいとなった際に、ワーキングホリデービザを申請して働くこともできます。
現地の言葉ができないと、働き先はどうしても言語不要の日系の仕事です。
例え有名企業だろうが、日経の現地採用の給与というのは、基本的に現地の最低限の給与のことが多いです。
能力や経験によっては、給与はよくなるとは思いますが・・・といったところでしょう。
ここで1年間の語学の勉強をしっかりとしていれば、語学ビザの後の"働き先の選択肢"がかなり増えます。
海外で生活するにはしっかり先を見据えたプランが必要
【海外はノリと勢いで行っちゃえ!】は本当に後々行きづまります。
確かに、一歩踏み出すにはノリと勢いが大事です。
ですが、しっかりと先を見据えた人生プランがないと、ただ海外に来ただけで、何の収穫もなく時間だけが過ぎていった。
なんてことがあります。
今「ギクっー」と突き刺さった在住者もいるのではないですか?
私もサッカーでプロになるという夢と目的を持ってドイツに来ましたが、その後のことは何も考えて来ませんでした。
後のことは、その時考えようと漠然とただ過ごしてました。
成功して、終わればいいのですが、人生はそんなに甘くはありません。
引退後、そこには空っぽの私がいました。
次に何ができるのか。何をしたいのか。何が私にはあるのか。
目的もなく、ただ何となくした日々が過ぎていきました。
そして最大の難関は海外で過ごすには必ずビザの問題が降りかかってきます。
ビザがないと滞在もできないですし、ビザによっては働くことさえも制限させられてしまいます。
何を言いたいかというと、日本と制度も生活も環境も違います。
常に何があってもいい準備と、「次に何ができるのか、何をすべきなのか」をしっかりと想定しておくことが大事です。
5年間の我慢!永住権の取得を目指せ
ドイツで長く住みたいのであれば、"永住権の取得"を目指す!
これにつきます。
永住権さえあれば、ビザのためにフルタイムで働く必要もなくなります。
ビザのために働いていた人生から、自分のやりたかった人生への挑戦もできるのです。
その道のりは長いですが、多くの在住者はこの永住権を一つの指標としてます。
これを取得するまでは我慢してビザの為に今の仕事を続ける方も多いでしょう。
永住権取得に必要なこと
永住権を取得するのに必要な要項をまとめました。
永住権はドイツ語でNiederlassungserlaubnisと言います。
Ausbildung(職業訓練)とドイツ人と結婚は除いてます。
もちろん、申請には下記の他に十分な給料で働いている証明(フルタイム)や健康保険などもあります。
特にこの3つは特に大事です。
また、テスト関係は取得に時間もかかるので事前に準備を進めておくと後々楽です。
- 60ヶ月(5年間)の年金の支払い (Rentenversicherung)
- 語学試験B1の合格
- 政治のテスト(Leben in Deutschland)の合格
【永住ビザまでの道のりはこんな感じです。】
語学ビザ:語学学校でドイツ語で学ぶ
↓ 1年
*ワーホリ:働きながら現地を知る
↓ 1年(使いたい人)
就労ビザ:永住まで辛抱して辛抱
↓ 5年
永住ビザ:晴れて自由の身
まとめ
今回、ドイツに移住を考えている方やワーキングホリデーでドイツに来たい方向けに書きました。
語学ができないと、都市によっては働くこともできずワーホリをただ無駄に使ってしまった・・・なんてことになり得ます。
海外で出稼ぎに行く時代となりつつありますが、とはいえメディアが紹介してるのは出稼ぎに成功したごく僅かな方達です。
SNSの発展で、成功者のいい部分しか目に入らなくなりましたが、現実はそんなに甘くありません。
冒頭でもお伝えした能力✖️選択国✖️運が掛け算となって、あの成功があると知っておいてください。
ドイツに長く滞在を考えているのであれば、まずは永住権取得を目指すべきです。
永住権取得までは、どんなに頑張っても最短で6年程度はかかります。
「毎日必死に目の前のことだけ」をも確かに大事ですが、その先の人生設計プランをしておかないと必ず行き詰まります。
私のように、ビザで何度も悩まされないようにしっかりと準備しましょう。
ユーロの価値が上がったことで、ヨーロッパの移住先としてドイツを選ぶ方が増えてくると思います。
経済的にも安定してますし、比較的日本の生活と近い部分もあります。
いつか"ドイツのドン"になれるようにこれからも頑張って発信していけたらと思います。笑
CAIO